時とは、一つの水流から幾重にも分岐する河の流れである。

水流は別れ、そして合流し、また複雑に別れ、絡み合う。

それは即ち、一つの大河の様相である。

常世に生きる人間は、この大河を見る事はまずないだろう。

私だって、その大河を感ずる事もなく、ただ流れるままに生きるだけの筈だった。

だが、私は大河に投げ込まれてしまったのだ。

ある一人の「祀姫」によって。



「祀姫」は幾多の大河に存在し、ある存在との闘いに身を投じていた。

滅びをもたらす願いを具現化した凶獣達。

世界の循環を行う為に破滅を呼び起こす者。

そして、大河の向こうでほくそ笑む、もう一人の「祀姫」そのもの。

幾多の大河、幾多の世界にて「祀姫」は闘い続ける。

それは自分を育てた世界の為に。

だけど、逃れえぬ自分の宿命に抗えぬままに。



私は「祀姫」に呼ばれたのだ。

人の願う滅びに立ち向かい、打ち倒す力。

世界を理解し、組み立て、「召喚」する力。

私の世界で唯一絶対と称えられ、けれど時代遅れとされてしまった力。

それは、私の中に閉じ込められ、ずっと燻っていた力。

「祀姫」はそれを外へ放とうとしたのだ。

封じていた私の心と共に。



私は今、筆を取り、白紙に世界を紡ぎだす。

それは流れを、理を書き換える行為。

勇気を以って禁忌を為す行為。

たった一人、本当の自分を封じた「祀姫」を、

宿命から解き放ち、自分が護ろうとした世界を見せる為の―――

――― 一世一代の、恩返し。





本格ファンタジーRPG
〜アンズとリンゴ〜
-Anzu to rinGo-








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202x年・公開予定

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